技術提案事例
多数個取り金型・共取り(セット取り)金型
Before
大量生産をする製品では、生産効率と材料費などのコスト削減が求められます。
使用できる成形機械と金型の数は限られるため、生産数を確保するまで多くの時間を要します。
また、度重なる成形で、樹脂の余剰分が多くなります。
そこで、時間と材料のロスを抑えるため、一度の成形工程で複数の製品を成形できる”多数個取り金型”や”共取り金型”を製造しました。
After
多数個取り金型は、1度の成形工程で複数の製品を同時に成形できます。
1つの金型に2つの製品形状を設けたり、2型ある単独の金型同士を合体して”2個取り1型”にします。
共取り金型は、異なる製品を同時に成形できます。
主に試作品や、少量生産を目的とします。生産効率が良く、材料の歩留りが向上するため、材料費の低減にもつながります。そのため、多数個取りと共取り成形は生産性の向上とコスト低減となります。
しかし、ダイレクト成形の場合は注意点があります。
溶融樹脂のドローダウンが起きるため、上方と下方(天地)で同じ製品でも肉厚や重量にバラつきがあり、品質に誤差を生じます。
また、共取り成形は、金型内の複数の製品形状が大きく異なると成形条件が複雑となります。
そのため、この成形方法は要求される精度と生産性を考慮する必要があります。