技術コラム

2024/09/27

ブロー成形

ブロー成形品 ”ウォッシャータンク”

ウォッシャータンク

自動車のウィンドウウォッシャー液を保存するためのタンクであり、ブロー成形で作られるプラスチック製品です。中空構造のため、ブロー成形はウォッシャータンクのような製品に適しています。

材料の選定

ウォッシャータンクは自動車部品として使用されるため、耐久性や耐薬品性が重要です。一般的には、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)といった熱可塑性樹脂が選ばれます。これらの材料は、軽量で耐久性が高く、化学物質に強い特性を持っています。

金型設計

タンクの強度と機能を考慮した設計が必要です。

例えば、タンク内の圧力や衝撃を分散するために、適切なリブ(補強筋)を設けます。また、パーティングライン(分割面)にリブを設ける形状もあります。理由は、製品肉厚が薄い部分の窪み・割れなどの成形不良を無くすためです。

取り付け部やホースの接続部の形状が正確であれば、漏れ防止や取り付け作業のしやすさが向上します。金型製作では、ホースの抱きかかえ部分や車両に取り付ける部分(キャッチャー)は、アンダー加工した構成部品(下図参照)を本体に組みます。本来であれば、金型から成形品の離形を妨げるアンダーですが、樹脂がもつ適正な柔軟性を利用して”無理抜きをして金型から製品を取り外します。

ブラケットの穴はピアス仕様で成形後にはロスをカットすることで簡単に穴を開けられます。

また、ウォッシャータンクの形状は自動車の狭い中に格納されることから、複雑な形状をしている製品が多いので、高低差(起伏)がある形状には、金型の冷却の差を均等にする配慮が日知用です。

また、ブロー成形金型は試作段階(試作型)の設計変更に対して柔軟な対応性があります。これはブロー成形金型は比較的に金型構造がシンプルなためです。

〔関連記事〕   製品事例 >>ウォッシャータンク 用金型部品(ホースクランプ)

             >>ウォッシャータンク用金型部品 (ダブルホースクランプ

       技術コラム >>ブロー成形の「成形不良」種類一覧をご紹介!

ブロー成形のプロセス

パリソン(溶融樹脂)の均一な厚さが重要です。タンクの壁厚が不均一だと、特に圧力のかかる部分での強度不足や漏れの原因となる可能性があります。

成形中の温度と圧力の制御も重要で、適切な設定により素材の均一な伸展や形状の維持が可能になります。

重量の最適化

自動車部品としての軽量化は燃費向上に貢献するため、タンクの重量をできるだけ軽くすることが求められます。プラスチック製品であれば軽量な製品が作りやすいというメリットがあります。

〔関連記事〕  >>製品事例 >>自動車向け ウォッシャータンク 用金型

               >>トラック向け 中空ウォッシャータンク 用金型

               >>トラック向け ウォッシャータンク 用金型

ブロー成形金型のことなら、特殊ブロー金型 設計・製作.comまで!

特殊ブロー金型 設計・製作.comを運営する中越製作所では一般的なブロー成形から3次元ブロー成形の金型の設計・製作に対応しております。
ブロー成形では成形が難しいとされていた形状の手法変換の事例も多くございますので、お気軽にお声がけください。

>>お問い合わせはこちら

技術コラム一覧に戻る