技術コラム

2024/07/31

その他

ブロー成形における” 肉厚 ”

”肉厚”とは??

プラスチックブロー成形における「肉厚」は、製品の壁の厚さを指します。

これは、製品の強度、耐久性、そして外観に大きな影響を与え、品質・性能・製造効率にとって重要な要素です。

ブロー成形では、金型の中のパリソン(樹脂)に空気を吹き込んで膨らまし、樹脂を形状面に密着させて成形するので、肉厚の均一性が製品の強度や耐久性に直結します。また、肉厚が不均一だと、薄い部分が脆くなり、破損や変形のリスクが高まります。

製品設計段階で肉厚の均一性の確保が求められます。

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肉厚の均一性

製品の肉厚が均一であることは、成形品の品質向上に不可欠です。不均一な肉厚は、冷却時の収縮差による歪みや反り、ひび割れ、内部応力の増加などを引き起こす可能性があります。また、肉厚が増すと、冷却にかかる時間が長くなります。したがって、肉厚が均一になるように設計することが推奨されます。

また、成形条件(温度、圧力など)も肉厚に大きな影響を与えます。均一な肉厚を保つためには、材料の流動性と冷却速度がポイントになります。

材料の選択

製品の使用目的に応じた材料選びが重要です。耐衝撃性が求められる場合は、強度の高い材料を選び、適切な肉厚を設定します。軽量化を目指す場合は、最小限の肉厚で性能を維持できる材料を選定します。また、高価な材料を使用する場合、肉厚を最小限に抑えることで生産コストを削減することが可能です。

例えば、強度が高い材料(例:ポリカーボネート、ナイロン)を使用する場合、薄肉でも十分な強度を得ることができます。一方、強度が低い材料(例:ポリエチレン)では、必要な強度を得るために肉厚を増やす必要があります。

金型設計と肉厚の工夫

金型設計は肉厚に大きく影響を及ぼします。金型を開閉させる境目であるパーティングラインや、樹脂の余剰分を避ける構造など、金型設計技術が必要となります。さらに、冷却系統の設計も冷却速度を均一にし、製品の肉厚を安定させるために重要です。

プラスチック材料の流動性と冷却のバランスを取ることが重要です。流動性が高い材料は薄肉でも成形しやすいですが、冷却が遅い材料は厚肉部で冷却時間が長くなります。材料特性を考慮して、適切な肉厚を選定します。

また、リブやボスなどの補強構造を設計する際も、肉厚の考慮が必要です。

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