技術コラム

2024/07/01

ブロー成形

2つの製法”インジェクションブロー”と”ダイレクトブロー”

プラスチック製品は私たちの生活に欠かせないものですが、その製造方法には種類があります。特にプラスチックボトルの製造においては、インジェクションブローとダイレクトブローという二つの主要な技術があります。

インジェクションブロー(注入+吹く)

インジェクションブロー成形は三段階のプロセスで行われます。

第一段階では、射出成形機を用いてプリフォーム(予備成形)を作成します。プリフォームは小さな試験管状の形をしており、この段階でネック部分が成形されます。

第二段階では、このプリフォームを加熱し、柔らかくします。

最終段階では、加熱されたプリフォームをブロー成形機に移します。次にエアーを吹き込んで金型の形に膨張させて、製品形状を成形します。

利点

ペットボトルや化粧品容器、医薬品のボトルなど、品質が厳しく要求される製品に適しています。また、色の均一性や厚みの均一性が高い製品を作ることができます。

ダイレクトブロー(直接吹く)

インジェクションブローと比べて、成形プロセスはシンプルです。

この方法では、溶融状態の樹脂を直接金型に取り込んで成形します。

具体的には、押出成形機から溶融樹脂(パリソン)を押し出します。それを金型の中でそのままブローして製品形状に成形します。プリフォームが不要なので、製造工程が短く、一連の流れで製品を完成させることができます。

利点

製造時間の短縮と製造コストの削減です。また、生産効率が良いので大量生産に適しております。

しかし、バリの発生と処理(樹脂の余剰分)、肉厚の制御が難しいので、インジェクションブローほどの高精度を実現することは難しい場合があります。

〔関連記事〕>>技術コラム>>ダイレクトブロー成形を簡単に解説

樹脂製品開発に向けて

最後に、製造方法の選択は最終製品の品質やコストに大きく影響します。そのため、製品の用途や要求される仕様に応じて適切な技術を選ぶことが重要です。インジェクションブローとダイレクトブロー、どちらの方法もそれぞれの強みを持ちながら、私たちの生活を豊かにする製品を提供し続けています。

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