技術コラム
2024/06/25
その他
ブロー成形
3次元ブロー成形
ブロー成形技術 ” 多層成形 ”
プラスチックのブロー成形は、日常生活でよく目にするボトルや容器の製造に広く使われます。
その中でも注目すべき技術が「多層成形」です。この技術の登場は、製品の性能や機能性を飛躍的に向上させました。また成形では、多層・単層と同じくブロー成形用金型を使用します。今回は、多層成形について、その仕組みや利点を詳しく見ていきましょう。
多層成形とは??
ブロー成形は、熱可塑性プラスチックを溶融し、金型内で風船のように膨らませることで成形する方法です。
このシンプルな技術に、多層構造を加えたのが多層成形です。多層成形は、異なる素材を重ねることで、それぞれの素材の特性を活かした製品を作り出すことを目的としています。この技術の誕生は、単一素材では実現できない性能を求めるニーズから生まれました。
多層成形の仕組み
多層成形は、まず異なるプラスチック材料を層状に重ね合わせたパリソン(円筒状の溶融樹脂)を作ります。これを金型で挟んだら、膨らまして成形します。
例えば、食品容器では、内層や中間層に食品と接触しても安全な素材を使用し、外層には強度や耐久性を高める素材を使用します。このように、各層が異なる役割を持つことで、製品全体の機能性を向上させることができます。
多層成形の利点と応用
多層成形の利点は、複数の素材の特性を一つの製品に組み合わせることで、優れた機能性を持つプラスチック製品を作り出せることです。
例えば、ガスバリア性が求められる食品包装容器では、変質やガス透過を防ぐ層と、強度を持たせる層を組み合わせることで、食品の鮮度を長期間保つことができます。また、環境に対応できる素材を外層に使用したり、単層よりも多層の方が薄くて軽い上に機能性が向上するため、高い品質に加えて、運搬への負荷も抑えることができます。
さらに、自動車部品や医療機器など、様々な分野で多層成形技術が応用されています。例えば、自動車の燃料タンクでは、内層に燃料に強い素材を使用し、外層には耐衝撃性の高い素材を使うことで、安全性と耐久性を両立しています。
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