技術コラム

2024/10/29

ブロー成形

3次元ブロー成形

スライド機構にアンギュラピンは不要!その理由を解説!

スライド機構を用いる場面

金型において、スライド機構を用いた金型を設計製造することは少なくないと思います。

スライド機構とは、製品のアンダーカット形状を回避する方法として金型を製造している会社では、

広く使われている方法です。

アンダーカット形状とは、製品の一部が金型の開閉方向に対して突出している形状のことを指します。

いわば成形が終わり、製品を金型から取り出すときに

アンダーカット形状のところが引っかかってしまい

製品が取り出せない取り出すときに傷がついてしまう

ということが起こる可能性がある形状のことをアンダーカット形状と言います。

これを回避するためにスライド機構は使われます。

詳しくはこちらのコラムをご覧ください。

>>ブロー成形金型のスライド機構とは? | 技術コラム |

スライド機構はどんなものがある?

スライド機構は、成形作業をスムーズに行うために重要なポイントです。

では、スライドコアを動かす方法にはどんなものがあるでしょうか?

射出成形で代表的なものは、アンギュラピンを使用する方法です。

金型が開くときにアンギュラピンに沿ってスライドコアが横に移動します。この方式は、金型の開閉に連動してスライドコアが動くため、非常に効率的です。

しかし、アンギュラピンにはデメリットがあります。

まず摩耗が激しいことが挙げられます。アンギュラピンは頻繁に動作するため、

摩耗しやすい部品です。金型の開閉のたびにスライドコアに干渉しながら動作するため、アンギュラピン本体やスライドコアにも大きな負担がかかります。

それに、設計の精度も求められます。成形品の品質に影響を与える部品の動きを制御するため、設計段階で精密な計算とシミレーションが必要です。

またメンテナンスが頻繁に必要なこともデメリットの一つです。摩耗しやすい部品ですので定期的なメンテナンスと交換が必要になります。

>>ブロー成形にアンギュラピンは必要? | 技術コラム |

弊社が使用しているスライド機構

弊社が製造しているブロー金型は、開閉のタイミングだけではなく、

インサート部品を入れるときにスライドさせるなどの

スライドコアをスライドさせるタイミングを自由に設定できる

シリンダーを使用するスライド機構を使っています。

>>ブロー成形金型のスライド機構を導入する際の注意点を解説! | 技術コラム |

インサート部品がたくさん設置されている金型も少なくないため、金型のサイズや幅の関係上、

弊社ではシリンダーを使用します。

>>製品事例    >>インサート4部品付きチューブ 用金型 | 製品事例 |

          >>インサート5部品付きパイプ 用金型 | 製品事例 |

          >>インサート9部品付きダクト 用金型 | 製品事例 |

上記のようにインサート部品やアンダー形状を回避するためにスライド機構を設定する場所が

多いですし、またスライドコアのスライドする距離【ストローク】も長いモノもありますので

アンギュラピンを設定するのは効率が非常に悪いです。【ピンがすごく長くなってしまう・・・】

それに金型の長寿命化の観点から考えても、すごい力がピンにもスライドコアにもかかり、

定期的な交換が必要なアンギュラピンよりは、シリンダーを選択することにより

長く金型を使用でき、メンテナンスコストが抑えられます。

まとめ

今回は、スライド機構についてのコラムでした。

金型や製品の設計上、アンダーカット形状はやはり出てきてしまうものです。

そしてそれを回避する方法もいろいろな方法があります。

ブロー成形の設計やアンダーカット形状の回避方法でお悩みであれば

ぜひ中越製作所までお問い合わせください。


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