技術コラム

2026/10/30

試作

試作型は使い倒す!1ヶ月で挑むブロー成形1stトライ

ブロー成形の製品開発において、「試作型」をどのように位置づけるかは、開発コストや手戻りリスク、そして最終的な量産品質を大きく左右します。

一般的な開発では、試作型を1回限りの形状確認用として終わらせてしまいがちです。しかし、最初から**「将来の改造を見越して試作型を徹底的に使い倒す」**という設計思想を持つことで、リスクを最小限に抑えながら理想の製品へとアプローチすることができます。

今回は、ご相談から試作金型製作、そして中空品の「1stトライ」までをわずか1ヶ月で達成し、現在まさに段階的な改良へと進んでいる最新の開発現場のリアルをお届けします。


1. スタートから「1stトライ完了」までわずか1ヶ月のスピード感

今回のプロジェクトは、現在まさに進行中のリアルタイムな開発案件です。

特筆すべきは、ご相談・設計スタートから試作金型の完成まで約2週間、そして最初の成形(1stトライ)完了までトータル約1ヶ月という圧倒的なスピード感です。

【開発タイムライン:設計から1stトライ完了まで約1ヶ月(進行中)】

 [0週] ─── プロジェクトスタート
   │
   ├─◆ 約2週間:試作金型が完成!
   │   └─ 【POINT】将来の改造(削り込み)を見越した柔軟な構造
   │
   ├─◆ 1stトライ実施(約2週間)
   │   └─ ベース形状(中空構造)の成形性を確認!
   │
 [★現在地:約1ヶ月] ─── 1stトライ完了!
   │
   └─◆ 【Next Step】これから試作型を「使い倒す」本番へ!
       └─ 成形結果を踏まえ、金型の削り込みや微調整を段階的に実施予定

2. 試作型は「使い捨てる」のではなく「育てるもの」

対象となっている製品は、ブロー成形に適した中空構造の製品です。

今回の試作型は、一度成形して終わりにするのではなく、**「ここから段階的に手を加えて育てていく開発ツール」**として設計されています。

  • 削り込みを見越した金型設計 今後のトライ&エラーを見越して設計されているため、1stトライの結果をもとに金型を削り込み、段階的に理想の肉厚やディテールへと近づけていくことができます。
  • 手戻りとコストの最小化 改造を前提としているため、形状の微調整や検証のたびに型を作り直す必要がありません。余計なコストと時間をかけずに、攻めた検証が可能になります。
  • ここから始まる「使い倒し」のプロセス 1stトライで得られた成形挙動やデータを足がかりに、これから様々な成形条件の検証や金型調整を重ね、量産時にトラブルの出ない盤石なノウハウを蓄積していきます。
開発フェーズ実施内容金型・成形のアプローチ狙い・効果
Step 1:ベース成形 (★現在完了)改造前提の型製作&1stトライ削り込みを見越した設計(中空品)わずか1ヶ月でベース形状の成形性を確認完了
Step 2:段階的検証 (★これからの予定)金型の削り込み・成形トライ試作型に直接手を加え、段階的に理想形状へアプローチ型の作り直しリスクを抑え、低コストでトライ&エラーを反復
Step 3:量産へ (将来のゴール)蓄積データの量産型への反映試作で得た限界値や最適条件をそのまま反映手戻り・トラブルのないスムーズな量産立ち上げ

3. スピードと安心感を支える「質問力」と「切り分け」

なぜ、わずか1ヶ月という短期間で迷いなく1stトライまで到達できたのか。その鍵は、パートナー企業との活発な質疑応答にありました。

パートナー側から多角的な質問を投げかけられたことで、発注側としても要望や課題をスムーズに言語化でき、「いまできる部分」と「これから検証すべき(できない)部分」を初期段階から一緒に切り分けることができました。

  • できる部分:1ヶ月で1stトライを完走させ、ベース形状の成形性を確認すること。
  • これからの課題:1stトライの結果を受け止め、削り込みなどの改造によって段階的に理想形状へ近づけていくこと。

このように、最初から完璧を求めすぎず、段階を踏んで進める共通認識があったからこそ、手戻りなく最速でスタートダッシュを切ることができました。


結び:理想の製品へ向けて、挑戦は続く

1stトライが完了した現在は、いわば**「これから試作金型を本格的に使い倒すスタートライン」**に立った状態です。

試作金型をただの確認用として終わらせず、改造しながら理想の形へ育てていくこの戦略的アプローチが、今後どのような完成形へと実を結ぶのか。引き続き、成形条件の最適化や金型のチューニングを進めていきます。

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