技術提案事例

自重で落下してしまう極小非鉄ナットを”バキューム”で固定(ピンスライド)

Before

自重で落下してしまう極小非鉄ナットを”バキューム”で固定(ピンスライド)

ブロー製品によっては、取り付けを目的とするナットが埋め込まれています。

方法としては、成形を行う毎に、金型が開いてる状態から金型内部の決められた位置にナットを配置します。配置が完了したら金型を閉じて成形を開始します。
成形段階では、ナットと樹脂が接合したら、ナット中央にあるピンがバックスライドします。
そうすることで、ピンが邪魔をすることなく金型から成形品が離形できます。

一般的に、ナットが自重で落下しない場所・方向に配置して成形します。ナットの素材がスチール製であれば磁力も活用できます。
また、ナットが複数設置される場合は、ひとつでも成形中にナットが外れてしまっては不良品となり、生産効率にも悪影響を与えるので、成形機械の衝撃にも耐えうる安定した固定が必須です。

しかし、本題では成形会社様から『ステンレス製の小径ナットを金型内部の天井面にセットして成形したい』とのご要望があり、対応を求められました。

After

自重で落下してしまう極小非鉄ナットを”バキューム”で固定(ピンスライド)

ナットがステンレス(非鉄)なので従来の磁力を活用した固定ができません。
そこでナットを吸着させる”バキューム”の工法を実現しました。
空気を排気して吸い付かせています。

金型を締める際の多少の衝撃にも落下しません。

また、中央のピンは成形品を離形するためにバックスライドする仕様になっています。

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