技術コラム

2023/12/01

ブロー成形

射出成形ではなくブロー成形が選ばれる製品とは

ブロー成形は、プラスチック業界の中では、珍しくあまり浸透していない成形方法ですが、身近にブロー成形で作られたものがたくさんあるということを【射出成形が主流な今だからこそ・・・】こちらのコラムでブロー成形で作られた身近にあるモノを紹介していますので、今回はなぜブロー成形が選ばれたのか?その理由について説明させていただきます。

ブロー成形が選ばれるモノ(容器類)

ブロー成形は、熱した樹脂【パリソン】を風船のように膨らませて成形するため、製品の中身が空洞に一般的にはなっています。ペットボトルをイメージしていただければ分かりやすいと思います。パリソンを膨らませて成形するブロー成形は、継ぎ目を少なく成形することができますので、液体等の保存容器を製造するのに適した成形方法です。飲料用ペットボトルや洗剤ボトルや保冷材のケース、プラスチック製の灯油のタンクなどブロー成形で作られたものです。

ブロー成形が選ばれるモノ(自動車部品)

自動車に関連する製品も私共中越製作所でも多くの受注をいただいている分野になります。ブロー成形金型は射出成型金型より構造が比較的簡易なため修正や設計変更がしやすく、短納期で制作できます。短い開発期間に何度も設計を変更する自動車業界では、強く支持されている成形方法です。エアコンのダクト、ウォッシャー液やガソリンのタンク類、スポイラーやシュラウド等がブロー成形で製造されています。

ブロー成形が選ばれるモノ(その他)

容器類や自動車関係部品以外にもこういったものもブロー成形で製造されています。

屋外にあるプラスチック製のごみ箱もブロー成形で作られているモノがあります。プラスチック製品は紫外線が照らされると劣化しやすい特徴があり、汚れや劣化により交換頻度の高いゴミ箱などは、ブロー成形で作る事により費用を抑えることができます。

可動式のベッドや工事現場などに置かれている簡易トイレもブロー成形で作られています。ブロー成形は基本、中が空洞な中空なモノが殆どですが、特殊な成形方法をすれば、その中空の場所に芯材(発泡素材等)を入れることが可能です。この成形方法を用いれば軽くて丈夫なボードを製造できますし、断熱性を持たせるなど製品に付加価値をつけることができます。

射出成形ではなくブロー成形を選ぶ理由(コスト)

そしてブロー成形の最大のメリットは、トータルコストが低い事です。

他の成形方法に比べると金型の構造や成形方法がシンプルなため、金型製造にかかる時間や材料費を安く抑える事が出来ます。また構造が簡単な分、形状変更、設計変更も比較的安価に済みます。

年間を通して数十万個の大量生産を行う場合には射出成形などの成形方法が有利な場合が多いですが、小規模・小ロットで量産する場合にはブロー成形の方がメリットは大きくなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。比較的ニッチな成形方法であるブロー成形ですが。正しく特性を理解すれば今まで思いつかなかったコストダウンの方法やアイデアが浮かぶかもしれません。

ブロー成形には可能性がある

他の成形方法で製造していた商品がブロー成形に変えることができるかもしれませんね。

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